メニューにジャンプ コンテンツにジャンプ

糖尿病研究センター

トップページ > 研究所組織 > 膵島移植企業連携プロジェクト

膵島移植企業連携プロジェクト
topimage.jpg

膵島移植企業連携プロジェクト

平成26年3月7日に、国立国際医療研究センターが膵島分離・凍結・移植施設として認定されました。 現在、治療の候補となる患者さん(レシピエント)の登録受付を行っています。


研究紹介

臨床膵島移植を行い、本治療発展のための基礎研究も進めて行く。
以下のようなプロジェクトが挙げられる。

  • 不安定1型糖尿病に対する同種膵島移植(担当:霜田 雅之)
  • 重症慢性膵炎に対する自家膵島移植(担当:霜田 雅之)
  • バイオ人工膵島の臨床応用(担当:霜田 雅之)
  • 膵島移植・1型糖尿病における自己免疫反応の解析・制御(担当:中條 大輔)
  • 非膵島膵臓細胞からのインスリン産生細胞の再生、分化(担当:霜田 雅之
  • 生体への遺伝子導入技術を用いた膵島移植の改良および膵島再生(担当:霜田 雅之)
  • iPS細胞からの再生膵島移植の研究、臨床応用(担当:霜田 雅之)
  • 細胞移植の前臨床試験のためのサル、ブタを用いた糖尿病および肝障害モデルの研究(担当:霜田 雅之)

pancreas.jpg


アメリカベイラー大学で臨床膵島移植を行い、良好な成績をおさめてきたメンバー(霜田雅之、中條大輔、松本慎一(アドバイザー))が中心となって、膵島移植の臨床と研究を行ってまいります。2022年4月から粟田卓也博士(日本膵・膵島移植学会理事、膵臓移植中央調整委員会委員長)が理事長特任補佐(膵島移植担当)に就任し、膵島移植の臨床と研究をサポートし、推進します。


ご挨拶

霜田雅之

プロジェクト長
霜田雅之

平成24年4月より国立国際医療研究センターにプロジェクト研究として膵島移植プロジェクトを立ち上げるために着任し、2022年4月より膵島移植企業連携プロジェクトに改組しました。私は外科医として修練した後アメリカベイラー大学にて膵島移植の臨床と研究に従事し、特に技術に関しては膵島移植の要となる膵島分離(膵臓をばらばらにして膵島のみを集めること)を世界でも高いレベルで習得して参りました。この技術を生かして当センターで臨床膵島移植を実施してまいります。

対象は大きく分けて1型糖尿病と慢性膵炎の2つの病気の患者さんとなります。それぞれ発症しますと慢性的に続く病気です。現時点ではまだ完全な意味での根治は困難ですが、ベイラー大学で完成したプロトコールをさらに改良し、当プロジェクトにおいて、より患者さんの助けになり喜んで頂ける先進的医療を行っていきたいと考えております。標準治療としてより多くの患者さんに提供できることを目指します。

臨床試験では治療の有効性はもちろんのこと、安全性にも特に留意します。また将来を見据えたさらに良い治療を目指して研究も並行して進めてまいります。

興味を持たれた方は是非遠慮なくご連絡ください。ご質問、ご相談、ご意見などなんでも受付けております。


中條大輔

客員研究員・富山大学教授
中條大輔

私はもともと内科医として、糖尿病専門医として、10年間にわたり糖尿病患者さんの診療に明け暮れていました。いろいろな治療手段を駆使していく中でも、1型糖尿病などの「自分の膵臓からインスリンが出なくなってしまった糖尿病」の患者さんの治療は難しく、患者さんは頑張ってインスリン治療を続けているにも関わらず、急激な高血糖や低血糖発作、糖尿病合併症に悩まされることもあります。医療人としてもどかしさを感じていたころ、2008年に渡米する機会を得る事ができ、膵島移植という治療を経験できました。膵島移植を受けられた1型糖尿病患者はご自身の体内から再びインスリンが出るようになり、重度の高血糖や低血糖発作から解放され、インスリン自己注射が不要となる患者さんも多くいました。この治療をより良いものにするには、 1型糖尿病の根底にある自己免疫(自分の膵島が壊されてしまう体質)を深く理解する必要がある事に気付き、その研究も行いました。

また、慢性膵炎という病気で膵臓を摘出しなくてはいけない患者さんに対しても、インスリンを出す膵島細胞だけは戻して術後の糖尿病を防ぐ「自家膵島移植」という画期的な治療を経験する事もできました。

渡米した時の患者さんへの思いを忘れず、当センターでも患者さんの目線に立った先進的な医療を提供していきたいと考えています。


松本慎一

研究アドバイザー
松本慎一

1型糖尿病は、診断された際に「一生治りません。」と言われてしまいます。この状況を、「最初はインスリン注射が必須ですが、根治に近い治療法がいくつかありますので受ける時期を考えましょう。」と変えることが今の私の目標です。

2004年京都大学で膵島移植を始めた頃、移植効果が安定しないとか、インスリン離脱状態が続かないとかいう問題があり「根治に近い」治療にするために更なる研究が必要と感じました。そこで2007年再度渡米し、移植医療で有名なベイラー大学病院で5年間課題克服の研究を重ねベイラープロトコールを完成しました。この膵島移植受けた患者さんから、「あきらめていた自動車の運転を再開した」とか、「フライトアテンダントの仕事を辞めずに続けられた」とかうれしい連絡を頂いています。患者さんが喜んでくれるベイラープロトコールを実践する準備を進めています。

米国での研究の間、進んだ膵島分離技術を活用し、疼痛が激しい慢性膵炎の治療として、膵臓を切除した後、膵島を分離し自身に移植する、膵島自家移植を確立しました。この治療は、優れた除痛効果を発揮するとともに、移植膵島により糖尿病を予防できます。この治療の準備も進めています。

If you can imagine it you can achieve it. 人は想像できることは実現できる。
If you can dream it you can become it. 夢を持ち続ければなりたい自分になれる。

治らないとされている病気を治す方法を考え、研究を続け、人々の夢の実現に役立ちたいと考えています。


対象は

当センターでは、高度な技術を必要とするこれらの治療を行っています。

お問い合わせ先

霜田 雅之(しもだ まさゆき)
膵島移植企業連携プロジェクト長
電話:03-3202-7181(代表)  内線2776
eメールアドレス:mshimoda@hosp.ncgm.go.jp

主要スタッフ

プロジェクト長 霜田 雅之
研究アドバイザー 松本 慎一
研究アドバイザー
理事長特任補佐
粟田 卓也
客員研究員 中條 大輔
研究員 篠原 孝也
安嶋 久美子
高木 正
平井 さやか
プロジェクトコーディネーター 土田 みゆき
高橋 章子
研究補助員 板井 瑞歩
平川 泰子