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日本人1型糖尿病の包括的データベースの構築と臨床研究への展開
~TIDE-J~
日本では1型糖尿病は欧米ほど発症率が高くなく、発症や進展の経過が異なる症例が多くあり、「急性発症典型例」「劇症1型糖尿病」「緩徐進行1型糖尿病」の3つの亜型に分類されます。発症機序や臨床経過について、この3亜型ではそれぞれ異なった特徴を示し、「急性発症典型例」と「緩徐進行1型糖尿病」は比較的類似した遺伝的背景があり、「劇症1型糖尿病」は異なった遺伝的背景であることが報告されています。これらの事実は、日本では1型糖尿病の根治療法の開発に向けて、欧米とは異なった独自のアプローチが必要であることを意味しています。
TIDE-Jは、その研究の基礎となる遺伝子や臨床像を合わせたデータベースを整備する多施設共同コホート研究です。当センターが患者情報や資料収集の中心となり糖尿病学会1型糖尿病委員会のメンバー施設と共同して進めています。
この研究は日本人1型糖尿病において、現在行われている標準的な治療で病状の変化を明らかにするとともに、遺伝子及び血清試料から得られた情報を蓄積し、今後の介入研究の基礎資料とするものです。2011年から開始し、2016年4月の時点で国内の16施設が参加し、206症例を登録しています。